高台家の人々 あらすじネタバレと感想 第21章
※この記事はネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
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高台家の人々第21話のあらすじ
※水色の文字は木絵の空想です。
(眠っ早く帰りてー)
(こいつにだけは負けたくない)
(しまった!どうやってごまかそう!)
(あれは絶対 ズラだ)
いろんな人の思考が渦巻いている会社では、光正は他人の思考が聞こえてこないように、頭のなかで耳をふさいでいる。
「高台くん」
部長に呼ばれる光正。
以前、提出した企画書を明日の会議までにまとめて用意してほしいと言われる。
急な依頼に光正は困惑するが、部長の頭のなかを読むと社長からの依頼のようで、間に合わなかったら光正のせいにし、うまくいったら部長の手柄にする気だった。
仕方なく光正は承諾する。
普段、他人の思考が聞こえてこないように、頭の中で耳をふさいでいるとは言え、対面だと会話と同時に思考が入ってきてしまう。
こういうのは光正にとって、結構ストレスがかかっていた。
(なんで高台ばっかり、ちくしょー)
(いいなーうらやましーなー)
(失敗しろ)
(イケメンのくせに)
この会社は特にエリート意識の高い人間が集まってるから、こういう声はある意味当然だと思う。
だけど聞きたくないとは思っていた。
「高台さん」
光正の後輩が声をかける。
光正の後輩
「今日、残業されるならお手伝いします!自分、デートの相手もいませんし」
「(カッコいいなー、ハンサムで優しくて仕事のデキる男!この人についていけば間違いない)」
光正
「ありがとう、でも大丈夫だ」
皮肉よりかはマシだが、かといってこういうのも暑苦しい。
「高台くん」
今度は、光正の先輩が声をかける。
光正の先輩
「それ、いまやってるA社の報告書はこっちでやるから」
光正
「え…でも…」
光正の先輩
「A社の担当は私だから、あれこれ抱えてミスでもされたら困るのは私なのよ」
「(あなたの実力は認めているわ。企画に専念して、必ず成功させて!頑張ってね!)」
光正
「ではお願いします。助かります。」
もちろん思いがけない人の優しさを知って、感動することもある。
「あっ木絵。」
会社の廊下で木絵とすれちがう。
光正
「実は部長から急な仕事を頼まれて…帰り迎えに行けないけど…」
木絵
「そう…」
木絵の頭のなかではすでに部長がおかしなことになっていた。
誰かから急な仕事の依頼のことを聞いていたらしい。
「後で電話するから」と言って、木絵と別れる。
今度はさきほど、仕事を手伝うといった後輩とすれちがう。
光正の後輩
「(木絵さんって目立たないけど、ふんわり優しい感じで、ぼーっとしているところもカワイイよなー。さすが高台さんは女性を見る目もあるんだなー)」
「あっ高台さん!ホントに手伝えることないですか?」
光正は「こいつ、いいやつじゃないか」と思い、仕事を手伝ってもらうことにした。
しかし、良い人間が仕事もできるとは限らない。
後輩に過去データを整理してもらったところで帰ってもらったが、確認してみると、1年分のデータがすっぽり抜けていた。
光正
「全部やりなおしだ。ま、もともとひとりでやるつもりだったから、いいけど…」
「そういえば、まだ夕飯食べていない」
なんだか、今日はつかれた。
今の仕事は好きだし、他人と付き合うのも以前よりは嫌いじゃなくなった気がするけど、でもやっぱり会社勤めは向いていないかな、と思う。
光正が一人で残業をしていると、ある人の空想が頭のなかに流れ込んでくる。
腹ペコ王子様!
魔物の住む土佐の森で、道に迷って餓死寸前の王子様がおりました。
そこへ魔物が現れましたが、魔物は父ひとり子ひとりで、案外小さかったので、
王子は魔物が持ってい激ウマビーフシチューを食べました。
魔物(父)
「王子、食べ過ぎぜよ」
魔物(子)
「涙ながしちゅー、ビーフしちゅー、こぼしちゅー、ビーフしちゅー」
「ぷっ」と笑う光正。
なるほど、それが言いたくて土佐か。
「驚いた。一瞬、木絵の妄想癖がうつったかと思った」
木絵が光正のことを心配して、迎えに来ていた。料理教室で作ったビーフシチューを持って。
光正の頭の中に流れてきた妄想は木絵のものだった。
光正は思った。
本当に僕は君に出会えてよかっったと心から思う。
高台家の人々第21話の感想
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今回の話は、テレパスであるがゆえの光正の悩みに関するお話でしたね。
テレパスだと人の考えていることが、ガンガン頭に入ってきて…
人の考えていることっていうのは大抵はネガティブな考えなわけです。
しかも、光正のようなエリートだと、口ではいいことをたくさん言われますが、
相手の考えていることは大抵、嫉妬とかのネガティブな考えです。
普通の人ならそういう嫉妬とかの声は聞こえてきませんが、
光正はテレパスなので、どうしても聞こえてきてしまいます。
なので、光正が人付き合いが苦手で、あまり人と深く関わろうとしないのも納得ですね。
親友だと思っていた人が、ある日、頭のなかで思ってもいないような言葉をかけてきたら、なかなか立ち直れないですよ。
でもそんな光正でも唯一、深く関わりたいと思う人。それが木絵です。
木絵は普段はぼーっとくだらない空想ばかりしていますが、人の悪口などは言いません。
一緒にいても疲れないどころか、いつも光正は木絵の空想に癒やされています。
テレパスな光正でも唯一、付き合える人、それが木絵だったのですね(*^^*)
ちなみに、あの魔物がでてくる空想のところって理解できましたか?
わたしはわからなかったため、調べてみました。
土佐では「○○している」を「○○しちゅう」と言うようです。
王子様が泣いているところだったので、「涙ながしちゅう」です。
これをダジャレで「涙ながしちゅー、ビーフしちゅー、こぼしちゅー、ビーフしちゅー」なわけです。笑
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